本屋さんで、読んで、選んで、試してみた!

お気に入りの本等を、ちょっと偏り気味にご案内!

読む:『日日是好日ー「お茶」が教えてくれた15のしあわせ』

ベストセラーとはほど遠かったり、そういえば昔あったよねと懐かしんだり
完全趣味の領域、はたまた、それ本じゃないでしょといったものまで
どこか偏ったチョイスでつらつらと感想を綴っております。
なので、あくまでも個人の感想ということで、ご了解下さい。

 

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映画「日日是好日

というタイトルを見つけました。

 


あれ? これって・・・

 


内容をみると、「お茶の世界」に足を踏み入れた

主人公の事が書かれてありました。

 


あー、あの本だー!!

 


映画化になるんだー!!

 


どれどれ。キャスティングは。

 


主人公が・・・黒木華


うんうん。似合っているかも。

 


お茶の先生が・・・樹木希林


うーん。自分のイメージでは、もう少し若いかな。

 


あー、でも。

この役を出来るのは、やっぱり・・・

樹木希林さんかな。

 

 

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日々是好日(にちにちこれこうじつ)

「お茶」が教えてくれた15の幸せ

 


森下典子 新潮文庫

 

 

 


最初に刊行されたのは

飛鳥新社からで、平成14年。


こちらの文庫本で刊行されたのは

平成20年。


そして、平成30年で23刷になってました。

 


おお、すごい!

 


映画化されたこともありますが

それでも、昨今の出版事情を考えると


ここまで増刷されているのは

それだけ、長く愛されている作品なんですね。

 


私が読んだのは、はっきりは覚えてませんが

大体5、6年前でしょうか。


雑誌に紹介されていました。

 


お茶って堅苦しいイメージがあります。

そして、厳しい習わしがありそう。


でも、季節に合わせた道具やお花

凛とした空気で、お茶をいただく。


その雰囲気には、ちょっと興味あります。

 

 

この本は、エッセイになります。


著者がお茶を初めてからの

20年以上の出来事が書かれています。

 


お茶の世界に入ったきっかけは、

著者のお母様が、お茶を習うことを勧めたのと

いとこも一緒に習うことになったからで

積極的ではなかったようです。


それが、最初の意志とは反対に

段々とお茶の世界に、のめり込んでいきます。


読んでいる側も、「ああ、うんうん、おー」と

習ったこともないのに、引き込まれていきます。

不思議。

 

 

実は、まえがきで

お茶というのは、こういうもの

と、書かれてあります。

 

 

何をやっているのか、わからないものが

ある日突然、すっと見えてくる。


その時には、わからない。

でも、数年後、十数年後、数十年後

その折々に、突如目覚めていく。

 


このまえがきが、ええっ! そうなの!?

と、ぐっと心を掴んでいきます。

 

格式張っている。窮屈そう。取り澄ました感じ。

そんな表面的イメージを持ってしまいがちな「形式美」の

先にあったものは、全く違った世界でした。

 

 

「お茶」は、「今」に集中すること。


昔からある、堅苦しいしきたりではなく

自分自身に向き合うために、「今」を感じる。

 

 

その「今」を感じることを伝えた、お茶の先生。


著者が、お茶の世界に奥深さを見出す事が出来たのは

そして、長くお茶の世界に居続けたのは


そのお茶の先生が、お母様が仰った通り

「ダダモノじゃない」方だったからでしょう。


出会いですね。まさに一期一会です。