本屋さんで、読んで、選んで、試してみた!

お気に入りの本等を、ちょっと偏り気味にご案内!

読む:『So What? 』全巻

ベストセラーとはほど遠かったり、そういえば昔あったよねと懐かしんだり
完全趣味の領域、はたまた、それ本じゃないでしょといったものまで
どこか偏ったチョイスでつらつらと感想を綴っております。
なので、あくまでも個人の感想ということで、ご了解下さい。

 

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第1巻の初版が1987年。

 

もう、そんなに年月が

過ぎ去ってしまっていたとは…

 

う、売りませんよ。

売ったら二度と

手に入らなくなってしまいますから!

 

 

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So What? 全巻

わかつきめぐみ  白泉社

 

 

 

あらすじは、といいますと


祖父の危篤の電報を受け

(携帯なんてない時代です)

急遽、実家へ戻った高校生・阿梨。


しかし、その甲斐なく

祖父は亡くなっていました。


しかも、阿梨は驚くべき事実を

知らされます。


祖父が研究製作していたタイムマシンが

謎の暴走、爆発。


その衝撃で、家の中の時空が歪み

異世界から迷い込んでしまった女の子が

帰れなくなったしまっていたのです。

 


その子を帰すために

原因となったタイムマシンを

直さなければならない。


その間、この子の面倒を

見てくれないか。

 


プカプカ浮きながら、祖父は

主人公に、そう事情を説明します。

 

『ユーレイ』の姿で。

 


あ、ちなみにこのマンガ

SFファンタジーです。


星雲賞とってます。

日本SFファングループ連合会議:星雲賞リスト

星雲賞 - Wikipedia

 

 

とにかく、登場してくるキャラたちが

なかなか個性的な面々でして


頭にちょうちょが飛んでいるようにみえるが

じつは成績優秀な阿梨は

どこでも、歩いていても寝てしまう。


異世界の少女「ライム」は

ハッキリ物言う、気が強い少女。

そして、声がやたらと通る

(怒鳴り声や、悲鳴が)


マッドサイエンティスト(?)の

じっちゃんの弟子は

いまどき着物を着流しているけど

多分、登場人物の中で一番の常識人。


阿梨の元同級生は

高校生と思えないその洞察力で

大人たちを手玉に取りまくり。


何故か、スパイたちも暗躍する。

(・・・あれ、スパイか?)

 


一番の強烈キャラは


家の中に次々と現れる

異世界の住人たちでしょうか。

 


ゆれながら、笑うキノコ・・・ふふふ。

 


それでも、コメディにならず

・・・いや、なってはいますが


どこか、ほんのりと漂う哀愁というか

陰にそっと隠れている痛みというか。


だんだんと、絆が深まっていくんですね。

阿梨の家にあつまった人たちが。


普通じゃないけど、そこには

穏やかで大切な日々が流れていく。


でも、いつかはやってくる。

ライムが自分の世界へ帰る日。

 


確実に別れの時がくる。

 


その過程と、結末が

丁寧に描かれています。

 

これぞ、わかつきめぐみワールド!

 


手放しませんよ。絶対に。