本屋さんで、読んで、選んで、試してみた!

お気に入りの本等を、ちょっと偏り気味にご案内!

読む:『魂の退社』

ベストセラーとはほど遠かったり、そういえば昔あったよねと懐かしんだり
完全趣味の領域、はたまた、それ本じゃないでしょといったものまで
どこか偏ったチョイスでつらつらと感想を綴っております。
なので、あくまでも個人の感想ということで、ご了解下さい。

 

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著者の写真を見たのは

新聞だったか、雑誌だったのか

とにかく、その姿は

 


「アフロヘアの新聞記者」

 


・・・まあこの時点で、目が点です。

 


アフロ・・・にして、いいの?

 

 

アフロにしたのは

40代半ば頃で、女性

しかもお堅い新聞記者。

 


そんな方がアフロにするのですよ。

 


ええ、只者ではありませんよね。

 

 

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魂の退社


稲垣えみ子

東洋経済新報社

 

 


本の冒頭にもあるように

たまたまかぶったアフロのカツラが

似合っていたからアフロへアやっちゃった!


てな訳では、ないようなんですが

(ないのか?)


まあ、最初にそんなアフロヘアがらみの事が

書いてあるものですから


ついうっかり、オモシロ新聞記者の

退職に至るまでの、ドタバタ騒動記

なるものかと想像してしまいました。

 


が、中身は予想に反して

苦悩と葛藤が綴られていました。

 

 

 

 

・・・・・・

 

 

 

 


・・・・・・ん?

 

 


あ、いえ、その時その時で

著者は思い悩んでいたんだと思います。

 

 

 

思いますが・・・

 

 

 

退職後の吹っ切れた時点で

書かれている様子ですので

なんだか、漫談を読んでいるような

 


さすが関西人!

 


・・・じゃなく、それだけ人を引きつける

文章となっています。

 

 

 

独身、女性、(元)大企業勤務という

立ち位置にいた著者。

 


そんな立場にいた人ですので

なんて馬鹿げたことを

もしくは、なんてもったいない

との意見も出てきそうですが

 

 

 

勤めている間、心のどこかで

え? このままってどうよ・・・

 


と、よぎってしまうのは

ドコのダレでもありえることです。

 

 

 

中盤で、著者は

取材で宗教家の方からお聞きした


「古代インド人は人生を4段階に分けて考えていた」


「林住期 子育て、仕事が一段落したら

 家族から世俗を離れ、何もない林に住む」

 


寿命が延びている現代において

日本人の生き方のヒントになるのでは

というその方の考えを、記しています。

 

 

 

この話から、会社生活から定年後の生活へ移るのは

相当な変化であって


定年前からその準備をしていた方がいいのでは?

と思い至るようになったそうです。

 

 

 

「何のために生きていくのか」

 

 

 

会社在籍中に、襲ってきた存在価値

欲望の生活の中での、脱落後の恐怖


人生の折り返し地点で突きつけられ

このまま突き進んていったら地獄じゃない!

と気付き、始まった自己改造計画。

 


それが、結果的には

定年後の準備になったようです。

 

 

 

そうして、バラ色の定年後の生活!

 


・・・とは、ならないのが

悩ましいところところ。

 

思いも寄らぬ、様々な壁が

幾重にも立ちはだかり

そして、つくづく著者は痛感するのです。

 


日本って、会社社会だったんだ・・・。

 

 

 

定年後、ショックうける男性が多いのは

なんだかうなずけるかも・・・

 

 

 

書籍の後半は、退職後に感じた様々なことが

書かれてあります。

 


大企業を辞めたからって

それまでの貯蓄十分あるでしょ!

実績があるから、仕事も

引く手数多でしょう!

 


と、やっかみが出てきそうですが

 


それはさておき・・・

 


会社社会に特化してしまった社会の

盲点、というか欠点が

いま大きくなってきているようです。

 

 

 

会社の中で、存在が発揮される人も

もちろんいらっしゃいますが


会社からの枠組みから外れたことによって

存在が輝ける人も、もちろんいる訳で


当たり前ですが、会社に所属していなくても

一生懸命生きている人たちもいらっしゃる。

 

会社という所属から離れてしまうと

途端に、煩雑なこと面倒なこと窮屈なことが

増えてしまう。


生活することにおいて会社というシステムに

依存することによって

歪みが、あちこち出まくっている。

 

 

会社社会であることの

メリットとデメリット。

 


高度成長期はメリットの方が

大きかったのでしょうが

 


同じモデルでは、発展することが

むずかしくなってきた現代。

 


「いつかは会社から卒業していける

 自分を作り上げる」

 


結構ひしひしと感じますよ、著者の言葉。